最近図書館が便利になったおかげで利用する頻度が格段に増えました。
反面、読書スピードのキャパを超えて気軽にネットで予約出来てしまうせいか読中時間切れもしくは目を通すこともないまま返却してしまったり、長らく待たされたリクエスト本をせっかく借りることができたけれど「はて自分はなんでこんな本を借りたんだろう」と借りた理由さえ忘却の彼方に消えて去ってしまったり。また購入した本でも、立ち寄った本屋で表紙や帯を見ただけで衝動買いしたまではよかったものの、後日購入したのと同じ本が自宅の本棚に未開封のままあることに気づいて愕然としたり。
こういうことは日常的に経験している自分ですが、学生の頃のように売れるほど時間が余っているわけでも、速読術を会得しているわでも記憶力だけに頼れる歳でもないので、読書にもそれなりの優先順位を付けざるを得ません。そのせいか一度でも興味を示した本のアーカイブというか、読書管理みたいなものがそろそろ必要かもしれないなと感じはじめてもいました。
使いこなせていないメディアマーカーエクセルなど帳票形式で管理みたいなことをしている方を見かけますが、とてもじゃないけれど自分には真似できない律儀さを要求されそうです。ズボラな自分でもできるのってなんだろうといろいろ試した中でもなんとなく使い続けている物品管理サービスのひとつにメディアマーカーがあります。佐々木俊尚氏の「
仕事するのにオフィスはいらない
」に紹介されているのを読んで初めてその存在を知り、無料サービスということもあり利用し始めてからかれこれ一年ちかくが経ちます。このWEBサービスの優れていると思う点は
・多様な入出力・連携サービス
・メニュー画面のカスタマイズ性
・モバイル端末向けアプリ(iPhone)の存在
・SNS連携サービス
・頻繁なバージョンアップによる機能更新とバグフィックス
・無料であること
と他にも使っている本人が機能の全容を把握しきれないほど、多機能であり日々進化しつづけています。
ズボラな僕でも継続して利用しているのはそれなりに便利だからなのですが、多機能でな豊富な機能が用意されている反面、書籍が増えていくにつれUIの使い勝手の悪さが目につくようになってきました。
カテゴリ単体毎の検索
メディアマーカーはカテゴリ単体毎の検索には長けているのですが、反対に複数カテゴリを同時に検索ができません。あくまで一つ一つのカテゴリに限った検索を前提としている作りであるがゆえです。検索対象が、「ある作家」のなかにある「コメント」という場合のソート(絞り込み)など検索対象は属性が曖昧になればなるほど条件を複数にまたがって検索する必要性が生じます。
非MECEなステータスメディアマーカーは「ステータス」と「カテゴリ」の区分が曖昧だったり固定化されています。
「所有 / 未所有」と「購入 / 未購入」は意味的に重複するので、間違って「所有・未購入」というステータスをヒモ付けてしまった場合、あとからチェックするすべがありません。こういった非MECEな区分は検索精度を著しく落としてしまいます。またステータス毎の数量が一覧出来ない点は読みかけの本が多くなって来た場合、商品のステータスに漏れがあるのではないかという不安と全体を把握しきれない不毛感がつきまといます。
モバイル環境での通信依存既にメディアマーカーにはモバイル端末用にiPhoneアプリが用意されていますが、基本的に利用は通信依存になります。iPhone版アプリの見やすさ、またバーコード登録などの優れた機能を有しつつ、オフラインキャッシュ機能は100冊という制限があります。無制限のサービスを利用したければ通信依存という足枷が常につきまといます。
以上から
・カテゴリ単体毎に限定された検索機能
・非MECEな用意されたステータス管理
・通信依存のモバイル環境
と、それぞれ不満要素が挙がったのですが、実はどれもEvernoteが得意としている分野だということに気づきます。
Evernoteへの自動転送サービスメディアマーカーはすでにRSS化されていて、ヒモ付される情報が必要にして十分なのでこのままEvernoteに転送して利用するのがベターではないかと考えていました。また書籍だけamazonとは敢えて区別して管理したい自分のスタイルに合っています。メディアマーカーのRSSフィードをEvernoteで利用するために転送サービスを利用します。
登録しているバインダーのRSSフィードが取得できるのでこれをメールで転送できるサービスに登録して転送先をEvernoteに指定すればEvernoteに自動で転送することができます。自分の場合は転送できるサービスに
blogtrottrを利用しました。RSSの転送サービスは他にもいろいろありますが、いまのところ登録からRSSフィードの転送までの時間がいちばん短かく、なにより無料であるので気に入っています。(転送設定時だけ転送まで少し時間がかかります)
このままEvernoteに転送してもいいのですが、運用していく上でまだ不都合な点があるのでその前に一手間二手間加えてみます。
まるごとRSS(RSSフィードを全文配信でよむサービス)を使用する使用前

使用後

見比べてもらえれば一目瞭然かとおもいますが、
・タイトル以外のカテゴリの文字列にリンクが張られる
・登録日(再登録日も含む)情報が付与
・サムネイル表示が多少大きくなる
といった違いがみられます。使用の有無による転送時差はほとんどないので、利用したほうがよさそうです。
ちなみにまるとごRSSではGoogleリーダー上では広告表示がなされますが、
blogtrottrを通すと広告が見えないようになります。仕組みはわかりませんがおそらく仕様ではないかと思います。
YahooPipesを利用する
転送されるノートがデフォルトのままだと保存したいノートに自分で移動する手間が発生しますから、できれば自動で転送先を指定するに越したことはありません。
また、本のタイトルもiPhoneからだとタイトルが、

こんなふうに見切れてしまっています。
直に転送すると「メディアマーカー - ○○のバインダー」という文字列がタイトルの先頭に入ってしまうため、iPhoneからだと肝心な本のタイトルが途中で見切れてしまいます。まだPCクライアント利用に限定する分にはさほどの不便さは感じません。が、ことiPhone版のEvernoteで閲覧する場合は現在の仕様ではサムネイルとテキスト混合表示に限定されてしまいますのでこういった見え方になります。極力余計な文字列も除いておいていた方がよさそうです。
YahooPipesにはRSSフィードの情報を自分の都合に合わせてカスタマイズできる機能が豊富に揃っています。
[Pipes] Yahoo! Pipesを勉強したい方へ:普通のサラリーマンのiPhone日記自動Evernote登録システム(ノートブック指定つき)をサクッと作る:goryugo, addicted to EvernoteEvernote連携の自動化を進める:最近, 気になったこと...今回はこちらの記事を参考にさせてもらいましたので設定の詳細は割愛させてもらいますが、ノートの転送指定がYahooPipesを利用するだけで簡単にできます。
タイトル自体はblogtrottrがYahooPipesを転送元として認識するみたいなので、YahooPipes側で自分の好きなタイトルを付与すればOKです。今回はMediamakerの「M」としました。

これでタイトルがぐっと見易くなりました。

PCクライアントからだとこんな感じです。転送先ノート名がタイトルの後ろに付与されています。
Evernoteで出来ること強力な全文検索・整列 タイトル
作者
出版社(出版日)
価格
ISBN
カテゴリ(例)本・雑誌 / 文学・評論
メディアマーカーはタイトルとは別に上記の情報が一緒に自動で登録されるので、たとえば「出版社」と「カテゴリ」でソートする場合、「幻冬舎 文学」などと入れればEvernote側で簡単にソート(整列)することが可能です。ちなみに「ISBN」はそのまま数字を直接入れればきちんとヒットします。多くても数百冊程度の書籍しか管理していない自分のような人間には十分すぎる検索能力です。また、Evernoteは高度な検索が保存できますから、細かい検索条件でも内容をあらかじめ登録しておけば、都度検索要素を打ち込む手間を省くこともできます。
スタック機能によるステータス管理(要PCクライアント)もう古典になってしまいましたが、野口悠紀雄氏の
「超」整理法
でも、「押出しファイリングによって情報は自動的に時間軸でソートされる」によって「整理」するのではなく、ほしい情報に最小限の手順で素早くたどり着くための「検索」方法を開陳しています。氏が考案したスタイルは実は重複や曖昧さを避けるためのMECEなステータスである時間軸管理であることがわかります。
Evernote for Windows ver,4.1から新たに加わったスタック機能

複数付与できる「タグ」とは違い、「スタック」は読書というプロジェクトを管理するようなときにMICEなステータス(状態)が頻繁にかわるものの管理にこそ使える機能と感じています。人によってはもっと少なかったり多かったりすると思いますが、ここはひとそれぞれかもしれません。スタックのいいところはまとめてドラッグアンドドロップするだけでステータス情報が遷移できる点につきます。メディアマーカーでも一括編集は可能ですが、メンテナンスという画面に遷移してから編集したいメディアを一つづつチェックしていなかなくてはなりません。
オフラインの閲覧と編集(要プレミアム登録)メディアマーカーのオフライン利用100冊の冊数制限から開放され、いつでも自分の目に触れたことのある本の履歴がオフラインで手にできることを意味します。とくにEvernoteのPCクライアントの使い勝手は格段に向上しているので、大量の書籍を編集したりする時間の掛かりそうな作業も苦になりません。またiPhoneのアプリからなら電波の届きにくい場所や、通信自体が禁止されたエリアなどで検索閲覧が可能であることはもとより、100冊制限に気を揉む必要がありません。コメントなどもオフラインでコメント編集をし、同期はあとでという使い方ができます。
リッチテキスト編集メディアマーカーはコメント編集が可能ですが、たとえば画像などのリッチテキストを編集することはできません。書評ブログなどを一緒にクリップしたい場合はリンクに限られますが、Evernoteであれば関連する情報もそのまま追加していけるので、より柔軟な読書管理ができるのではないでしょうか。
メディアマーカー(収集)
↓
まるごとRSS(展開)
↓
YahooPipes(成形)
↓
blogtrottr(転送)
↓
Evernote(閲覧)
と、これらのサービスを連携するだけで、双方の機能が補完しあえるというのはすごいですね。
これで「一度でも興味を示した本のアーカイブ」という目的はとりあえず達成でき、とくにいまのところはこの方法に不便は感じていませんが、欲をいえば

このようなメディアマーカーのiPhone版のようなきれいなサムネイル表示でしょうか。なので間にサービスを挟まずともEvernoteと直接連携可能になることを秘かに願っている次第です。
今回は本に限ってみましたが、他のものにも転用することでよりEvernoteの使い甲斐が出てきそうです。
※追記(2011/1/26)
メディアマーカーから直接投稿できる機能が加わった模様です。
【バインダー機能】 Evernoteへ投稿できるようになりました。関連エントリ
[メディアマーカー]Evernoteへの投稿機能が加わってさらに便利に